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何だか書きたくていてもたってもいられなくなって書いたものだ、とか
そういうことが書いてある作品があって、
そういう場合は死についてのセンチメンタルな(ある意味中二的というか)内容だったり
寂しいとか虚無感に溢れているとか、とにかく現実に生きる上での理想とのズレみたいなことが
書いてあることが多いような気がしている。
ヴァンパイアノイズムっていう作品もその例。
他には記憶にある限りだと永遠のフローズンチョコレートとか砂糖菓子の弾丸はうちぬけないとか……
表現しようとする人種ってえてしてこういうものなのかな、とか
つまり、何かそういう後ろ向きなことを初期衝動にしている人がけっこういるのかなということですけど、
何を隠そうぼく自身が初めて書いた小説も生きることが辛い云々が主だった内容だったりもしたし
(今思うと内容も技術も酷い、とにかく酷くてきっと日の目を見ることはないだろうと思うんだけど、
やはり原点であって自分の中では黒歴史になりようがないものでもある)
ぼくが書いてしまったどうしようもない話のことはどうでもいいんだけど、
世に出ている作品の場合はまあ暗いばっかりじゃ商品にならないみたいなので
たいていは暗い内容の中にも一筋の光というか、ポジティブに締めくくられていることが多いわけなんけど、
正直言って作品内容と現実のズレを思ってしまい何だか余計に脱力することが少なくない。
まあ、それが心地よかったりもするんだけど(自分でもこのへんの心理状態はよく分からない)。
この話にはオチとかは特にないんですが、
まあ、本読んでてこの内容は普段隠さずにはいれない自分の素に近いものがある。と感じるのは
ひとつの醍醐味であるよなとか。
あと、憂鬱もスパイスなんだとかそういう感じで…。
最終巻、だったのか……と最後くらいのページになってようやく分かったので
なんだか不意打ち食らったような感じだったのですが。
最終巻にしてはずいぶん平坦な感じだな、もちょっと盛り上がってもよくねー…?
と読み終えた直後は思ったのですが、じわじわといややはりこれでいいのだという気持ちが
湧き起こってきました。
涙を誘うような大袈裟な感動なぞいらない、
あの静かな終わりこそがマリみてという作品が積み上げてきたものなのだと。
マリみてを読み始めてから7,8年も経ってたんだなーと微妙に遠い目。
ついに薔薇さまになった祐巳がどんな感じになるのか…とか楽しみにしてたんですけど
区切りとしては確かにここらでって気もしますね(まあこの後何か出るのかもしれないけど)。
+ + +
別件混ぜるのもなんですがフラジールのよかったところ
・ヒロインがかわいい
服装との組合せが実によろしい。
・ホテルが昼
奥の暗がりは昼でないと際立ちませんね。
・異常に長い竪穴や通路
普通のゲームだったらこんなにいらんだろってほど長い通路もあのゲームならむしろOK。
・空
見上げてぼーっとしててもよい。
・基本カーテン締め切ってもしくは夜にプレイ、ずぅっと部屋の電気落としてやってましたがこれオススメ。
ダメなところはいっぱいある。
完全に雰囲気ゲーであって他人にはちょっとオススメできないというのも正直なところです。
すれ違いが悲劇を生んだ第二話と、
頑張ったのに何もかも無駄でしたな第三話。が好きだ。
ゴシックロリータでリストカッターと来ると自動的に見入ってしまう。
世界のとらえ方に関わる話(火は痛みで痛みは生だとか、孵らない死んだ卵だとか)、あの暗い理屈も
読んでてニヤニヤを止められない。理解できるとか共感できるわけじゃなくて、
負の方向に論理を重ねていくという行為自体に何か安定したものを感じるのです。
我ながらアレな嗜好だと思わないでもないけど、ぼくは理屈が好きなので……。
泡禍が無関係(なのだよね?)という点で第三話が特異だと思うんだけれど、
(だからこそと言うべきか)いちばんおそろしくて虚無的だった。
……と思っていたところにラストの神狩屋さんの台詞。ごちそうさまでした。
新世界より/貴志祐介
たいへん面白かった。ファンタジー好き(というよりゲーム好きかな?)ならば読んで損はないと思います。
人間が魔法みたいなものを使えたりおかしな生物がたくさん出てきたりするけれど、
描写じたいは極めて現実的で残酷だったり陰惨だったり。
以下のようなことばにピンと来る方は是非(というかぼくが面白いと思ったもの)。
・呪力(魔法)
・文明崩壊後の日本
・ディストピア
・悪鬼、業魔
・愧死機構
・リアルファイアブレス
特殊能力系が出てくるお話では大体能力使用には何らかの制限があると思うんですが。
このお話は「もしその制限がなかったら」に対するひとつの答えになってる気もする。
(MP切れとか才能の差はあるにしても)
以下ねたばれ。
中学生の勇敢な女の子が、妖怪退治するお話。
主人公、13さい。
妹、10さい。
GL。
(グッドロリの略)
砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない/桜庭一樹
あんまり好きすぎるから、文庫版持ってるのにハードカバー版も買っちゃった。
文庫版は本屋で見かけるたびに確保したくなってしまう。
あらかじめ絶望が約束されたお話。
ハードカバー版の帯には、暗黒青春小説とか書いてある。
ぼくのすきな、キレイで憂鬱な話。
不思議ちゃん、かわいい少女、精神的肉体的な傷、反発と無力、とこの話にはぼくのアンテナが
反応する「キレイ要素」が色々とあって(そういうのをキレイと言ってしまうのはだいぶ語弊があるけれど)、
それらに彩られた、「つくられた憂鬱」がなんだか、とても安らぐんですよ。
ただの電波、不思議ちゃんだった海野藻屑の印象が反転、暗黒に落ちる瞬間の安らぎ、後ろ向きのカタルシスといったら。
不思議ちゃんって、少なくともお話の中で見てる分にはかわいいし、いいと思いません?
違う世界に生きてるみたいなところに憧れるのかなあ。
自分がなってみたいとは、あんまり思わないけど……現実は生きづらそうだし。
世の中に、もっとこういうお話が増えればいいなあと思う。
どっかに転がってませんかね?
同作者の前作『扉の外』は、先へ先へと読み進ませる力、すなわちオモシロさ、が異様に鋭い作品でした。
さて今回はどうだと思って読み始めたわけですが、
期待に違わず、ザクッと読み終えることができました。
http://www.mediafactory.co.jp/bunkoj/books.php?id=17726
クダン(主人公の女のこ)がかわいい。
女のこがかわいいと読む気が2倍くらいになります。
心に歪みを抱える女の子たちの痛みと、そこからの脱皮を描いた話。
哀しくて優しい物語です。
http://www.fujimishobo.co.jp/mystery/search.php?pcd=200707000117
中学生の女のこがいきなり自殺未遂します。
――というところに惹かれて読んだ小説。
鬱っぽい女のこが、すこし前向きになる話。